第0話 〜始まりの夢〜


「――――――」

声が聞こえる。
俺を――私を呼ぶのは誰だ。


「――――て」

何を言っている。
雑音と話し声が混ざり過ぎていて、ほとんど聞き取れない。

「―――けて」

もう少しだ…。
もう少しで、聞き取れる気が――




――――強き魂を持つ者よ。




…誰だ。
お前か、私を呼ぶ者は。

「―――だ――、わ――――――て」

どうやら違うようだ。
つまり、私に呼び掛ける者が2人はいるのか。




――――その通りです、強き魂を持つ者よ。




――――世界は悲嘆に満ち溢れています。




――――貴方にはその悲劇の連鎖を食い止めて欲しいのです。




…いつの世も争いは絶えぬ、か。
……いいだろう、その願い聞き届けた。




――――ありがとう、強き魂を持つ者よ。




――――貴方に、多くの幸があらんことを。




では行こう。
私の力が及ぶ限り、多くの悲劇を救って見せよう。




「お願い、誰か私を助けて!」




そして、先ほどから何度も求め続ける助けに手を差し伸べよう。
さぁ、始めようか…。




∽to be continue∽

   
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